当院の歯周病の外科的治療
中等度から重度の歯周病に対応
歯周病の外科的治療とは、中等度から重度の歯周病の患者様に対して、歯を残すために行う治療です。外科的な処置で、歯ぐきの奥深くまで侵入した歯垢や歯石を除去し、壊された歯周組織の改善を図ります。治療には、「フラップ手術」と「歯周組織再生療法」の2種類があり、患者様の状態に応じて治療法を選択します。どちらも健康保険で治療できます。
歯周病の外科的治療メニュー
フラップ手術
歯周病が進行すると歯周ポケットが深くなり、通常の方法では歯垢や歯石を完全に除去することができなくなります。その場合に行われるのが、フラップ手術です。歯ぐきに麻酔をした後に切開し、病巣を目視で確認しながら汚れを完全に取り除きます。治療後は歯周ポケットが浅くなり、ご自身でのケアもラクになります。
歯周組織再生療法
歯周病によって歯周組織が多く失われている場合は、歯周組織再生療法が選択されます。治療では、歯周ポケットに深く入り込んだ歯垢や歯石を除去した後、リグロスという薬剤を投与。歯周組織の再生を図ります。リグロスに含まれる成長因子の作用によって、歯周組織の細胞が増え、再生が促されます。
※骨の欠損が大きい場合は保険適用外の治療が必要となります。
治療期間は数ヶ月~1年以上、治療回数は1回（1か月ごとの経過観察）になります。
メリット
- 組織の再生スピードが速いので、細菌に冒されるリスクが低く、治療の成功率がアップする
- 副作用がなく、安全性の高い治療法
デメリット
- 顎の骨が水平に溶けていたり、全体的になくなっていたりするなど、症状によっては適応できない
- 健康な状態だったときより歯ぐきが下がることがある
治療の流れ
Step1麻酔
治療が必要な部位を局所麻酔します。麻酔注射が痛くないよう、圧を抑えてゆっくりと進めます。
Step2歯肉の切開
歯ぐきに慎重にメスを入れ、病巣が見える状態にします。麻酔が効いているので痛みはありません。
Step3歯垢や歯石の除去
専用の器具を使って、目視で確認しながら歯垢や歯石を完全に除去します。
Step4再生療法の場合は薬剤を塗布・縫合
歯周組織再生療法の場合は、リグロスを投与します。その後、切開した部分を縫合します。
Step5抜糸
1～2週間で抜糸となります。歯周病の状態によって、歯周組織の再生まで時間がかかることもあります。治療後は口腔内の清潔を保つために、必ず定期検査をご受診ください。
歯周病の外科的治療のメリットとデメリット
メリット
- 歯を残すことができる
- 歯周病の原因を根本から除去できる
- 歯周病の進行を食い止めることができる
デメリット
- 外科処置の後は一時的に腫れや痛みがある
- 回復までに時間が必要
- 手術後のケアが不十分だと再発する可能性がある